Report-活動報告-
2014年12月18日 【基本概念習得プログラム】
基本概念習得プログラム④「バルーンアートで学ぶ正多面体の幾何学」が開催されました
12月13日(土)に、静岡大学工学部浜松キャンパス工学部5号館11教室で、静岡大学教育学部附属浜松中学校と合同で、基本概念習得プログラム④「バルーンアートで学ぶ正多面体の幾何学」が開催されました。
今回は、多角形・多面体について理解した後に、実際にバルーンアートで正多面体を製作することで、立体や空間の認識力を養うとともに、多角形や多面体の性質について体得することを目指しました。
前半の「幾何学編」の講師は、静岡大学工学部(物理)の藤間先生。まず、多角形を学ぶ上で、一番小さい(一番辺の少ない)3角形の基本の説明から始まりました。
3角形とは「同一線上にない3点A,B,Cを結んでできる図形」「2つの三角形は、空間内で一方を移動させて他方に重ねることができるとき合同である」「3角形の内角の和は180°」。これらのことから、凸体、凸多角形、そして正n角形へと発展させていきました。
図1 3角形の内角の和=180°
図2 正多角形の例(正3角形、正4角形、正5角形、正6角形)
次に、多面体・凸多面体・正多面体について。多面体とは「空間内でいくつかの面(多角形)で囲まれた図形」で「面、頂点、辺」で構成されているもののこと。凸体のものを「凸多面体」と呼びます。
「正多面体」とは、すべての面が合同な正多角形であり、すべての頂点でそこに集まっている面の数が等しい凸多面体のこと。頂点には、3枚以上の面が集まっています。
ここで、藤間先生から質問です。「正多面体は5種類しかありませんが、なぜでしょう?」。5種類とは、正4面体、正6面体、正8面体、正12面体、正20面体(図3)。正多面体を形成するには、一つの頂点に3以上の面が必要です。なおかつ360°を超えると平らになってしまうので、面の数が6未満の、正4面体から正20面体までの5種類になるわけです。
図3 正多面体
続いて、「どんな多面体でも必ず2になる」という「オイラー数」について学びました。多面体Kの面の数をf(face)、頂点の数をv(vertex)、辺の数をe(edge)とすると、「X(K)=f+v-e」となります。これを、多面体Kのオイラー数と呼びます。凸多面体の場合も、3次元の多面体を潰して2次元の平面にし、3角形の組み合わせで表すと、「凸多面体のオイラー数=2」を証明することができました。

かなり難しい内容ではありましたが、藤間 先生がバルーンで作った正多面体を用いたり、 図を描いて示したりして、やさしく説明された ため、参加者たちにはわかりやすかったようで す。
第2部は、実際にバルーンアートで正多面体を製作しました。まず、バルーンアーティストの松下千絵子さんからバルーンアートの基本を習い、正4面体にチャレンジしました。1本のバルーンに3辺ができるように関節(バブル)を作ってZ形にし、2本を組み合わせていきます。
参加者たちは、恐る恐るバルーンをねじっていき、教室内にはギュッギュッという音やパンッと割れる音が鳴り響いていました。正4面体を作り終える頃にはバルーンの扱いにも慣れ、意欲的に正6面体、正8面体を作っていきました。仲間と協力して正12面体に挑戦したり、一人で黙々と正20面体に取り組む姿も見られました。
細長いバルーンで立体を美しく組み立てるには、幾何学的な設計センスと手先の器用さが必要になります。今回は、バルーンアートを楽しみつつ、頭のトレーニングをすることができました。
2014年10月24日 【基本概念習得プログラム】
基本概念習得プログラム③「DNA実験 ~お米を鑑定しよう~」が開催されました
9月23日(火・祝)に、静岡大学工学部浜松キャンパス工学部8号館の生物実験室で、静岡大学教育学部附属浜松中学校と合同で、基本概念習得プログラム③「DNA実験 ~お米を鑑定しよう~」が開催されました。
今回の実験では、2種類のお米からDNAを抽出し、PCR法によって増幅させ、電気泳動法による解析を行います。その結果から、2つの試料のうちどちらがコシヒカリであるかを判定するものです。講師は静岡大学の大橋先生(技術部教育支援部門バイオグループ)で、化学バイオ工学専攻の木村先生にもご協力いただきました。
まず最初に、大橋先生からマイクロピペットの使い方を教わりました。1ml(マイクロリットル)以下の液体を測り取ることができるスポイトで、今回のように微量な液体を扱う実験には欠かせません。カチカチッと何度も使い方を練習し、実験開始!

大橋先生による説明 マイクロピペットとマイクロチューブ
まず、試料となるコメ1粒を粉砕し、マイクロチューブに入れ、抽出液を加えて、ボルテックスミキサーで攪拌。60℃で15分間加温し、抽出液を加え、ボルテックスミキサーで攪拌した後、遠心分離機にかける…という作業を繰り返しました。これがDNA溶液となります。
抽出液を加える作業中 ボルテックスミキサー 遠心分離機
このDNA溶液に、PCR用の混合液(PCR PreMix)を加え、PCR装置にセット。95~60℃の温度で約2時間かけて反応を繰り返し、DNAを増幅させました。
PCR法とは「ポメラーゼ連鎖反応法」といい、わずかな時間でDNA断片の数を数百万倍に増幅させる技術のこと。犯罪捜査に使われるのも、この方法だそうです。
PCR装置
PCR終了後、電気泳動装置にかけ、100Vで電気泳動させました。ゲルの中を、青い色素で色をつけたサンプルが移動していきます。泳動が終わったら、ゲルをLEDイルミネータにセットし、バンドパターン(DNA断片の大きさ)を観察しました。コメの場合、品種によってバンドパターンが異なります。そのため、サンプルのバンドパターンを比較することで、コシヒカリを判別できるのです。
きれいにバンドパターンが出たものも、そうでないものもありましたが、参加者たちは難しい実験をやり遂げたことを喜び、興味津々で観察したり、撮影したりしていました。
ゲルの中にサンプルを注入 バンドパターン
今回は「ml」単位の非常に細かい実験となり、最初はマイクロピペットをぎこちない手つきで使っていた参加者たち。次第に上手に使いこなし、科学者の表情で真剣に取り組んでいました。今回の実験で、DNAの構造と複製という、かなり高度な科学の知識の一つを身につけられたことと思います。
この日、浜松ダヴィンチキッズプロジェクトのキッズによる中間発表会も行われました。パワーポイントで作成した資料を使い、自分の研究を熱心に発表するキッズたち。それに対し、附属中学校の生徒から積極的に質問が寄せられ、回答していくうちに、今後の方向性が見えてきたキッズもいました。先生方のアドバイスも加わり、中身の濃い中間発表会となりました。
2014年07月31日 【基本概念習得プログラム】
基本概念習得プログラム②「超伝導とは-酸化物超伝導体を知る-」が開催されました
7月27日(日)に、静岡大学工学部浜松キャンパス工学部8号館の物理実験室で、静岡大学教育学部附属浜松中学校と合同で、基本概念習得プログラム②「超伝導とは-酸化物超伝導体を知る-」が開催されました。
講師は静岡大学工学部の藤間先生(物理)で「マイスナー効果」の実験と「電気抵抗の測定」などを行いました。
超伝導体とは、電気抵抗が0になったり、超伝導体内部から磁力線を排除するなどの性質を持つ物体のこと。たいていの金属は超伝導体になりますが、今回の実験では、液体窒素中で超伝導現象が比較的簡単に観察できる「酸化物超伝導体」を用いました。
まずは、「マイスナー効果」の実験から。スチロール容器の上に超伝導体を載せ、そこへ静かに液体窒素を注ぎ入れました。超伝導体が十分冷えたら、ネオジム磁石をそっと載せると、ネオジム磁石が浮かび上がりました(マイスナー効果)。磁石から出る磁力線が超伝導体に排除されると、磁気的な反発力が生じ、重力と釣り合って空中に静止するためです。
不思議な現象を目の当たりした参加者たちは、興味津々の様子で見入っていました。
冷え冷えの液体窒素(-196℃) 浮かぶ磁石
次に、液体窒素の中に超伝導体を浸して電気抵抗の温度変化を測定し、転移温度以下では、超伝導の電気抵抗が0になることを確かめました。
電気抵抗は、超伝導体に電流を流して測定し、「抵抗値(R)=電圧(V)÷電流(I)」から求めました(オームの法則)。また、温度は熱伝対を用いて、氷(0℃)と超伝導体の温度の差によって生じる電圧から求めました。
回路の組立、データの読み取り、グラフ作成…と、どれも難しい作業でしたが、参加者たちは協力し合って熱心に取り組んでいました。その結果、電気抵抗が0になる温度を確認することができました。
回路組立、奮闘していました 測定中
最後に、風船を使って実験を行いました。液体窒素の入った容器に風船を漬けると、風船内の体積が小さくなり、しぼんでいきました。取り出すと、しわしわに縮んだ風船が、元通りの大きさに。参加者たちは、変化の様子を何度も楽しんでいました。
どんどんしぼんでいきます 元通りに!
今回の実験と測定は、主に大学1・2年向けのもので、かなり難しかったと思いますが、参加者のみなさんは意欲的に取り組んでいました。次回もがんばってください!
次回は、9月下旬~10月に「おコメのDNA鑑定」を予定しています。ご期待ください。
2014年06月26日 【基本概念習得プログラム】
基本概念習得プログラム①「数の不思議」が開催されました
6月8日(日)に、静岡大学教育学部附属浜松中学校と合同で、基本概念習得プログラム①「数の不思議」が開催されました。講師は静岡大学教育学部の熊倉先生で、微分・積分といった高校数学にチャレンジしました。
熊倉先生から出題されたのは「1.ドアからの脱出時間」「2.数の並び替え」「3.ペケゲーム」「4.ハノイの塔」の4問。かなり難問でしたが、理数系が得意な生徒・児童だけあって、真剣な眼差しで取り組んでいました。
熊倉先生が「変化を調べることが大切」「作業を記録に残すことが大事」など、解き方をポイントとともにやさしく説明すると、参加者たちは正解を得てうれしそうにしていました。
2014年02月27日 【全体】
キッズが「第30回山崎賞」を受賞!
2月23日(日)に、児童・生徒らの優れた自然科学の研究成果を顕彰する「第30回山崎賞」(山崎自然科学研究振興会)の授賞式が静岡市内で行われました。
応募総数139点の中からキッズ3名が受賞し、表彰されました。おめでとうございます!
◆渡邊 舞咲さん(浜松市立広沢小学校5年)
◆鈴木 珠音さん(浜松市立大平台小学校5年)
◆渡邊 夏輝くん(浜松市立蜆塚中学校1年)
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